4_7:マッピング(対応付け) p5.js JavaScript

プログラミング用語として「マッピング」という単語が使われますが、これは日本語で言うと、「あれとこれを対応付ける」というような意味です。たとえば、キャンバスの幅が1920ピクセルあって、mouseXの値を、キャンバスの背景色の設定に利用する場合、mouseXが取る0から1920までの値を、0から255までの数値に変換する方が、カラー設定が簡単になります。

これは比の方程式で解けますが、p5.jsのmap()関数を使えば頭を悩ますこともありません。

たとえばmouseXが20で、求めたいカラーの数値をCとした場合、比の方程式では次のように計算できます。

20 : 1920 = C : 255 // 比の方程式
1920 x C = 20 x 255 // 内項の積 = 外項の積
C = 20 x 255 / 1920 = 2.65625 // 両辺を同じ1920で割ってCを求める

同じことをmap()関数で行うと、次のようになります。

const result = map(20, 0, 1920, 0, 255)
print(result); // 2.65625

map()

説明

数値を、ある範囲から別の範囲にリマッピングする。

let value = 25;
let m = map(value, 0, 100, 0, width);
ellipse(m, 50, 10, 10);

上記コード例で言うと、数値25が、0から100を範囲とする値から、ウィンドウの左端(0)から右端(width)を範囲とする値に変換される。

シンタックス

map(value, start1, stop1, start2, stop2, [withinBounds])

数式によるマッピング

数式というのは、下記コードの終わりの方にあるmouseX / 2 + 60です。グレーの縦線の描画にはmouseXを使用し、黒の縦線の描画にはそのmouseXを2で割った数値に60を足した値を使用します。

// mouseX値とmx値を表示する<p>要素
let p1, p2;

function setup() {
    // p5.jsキャンバスを作成して位置を設定する。
    const canvas = createCanvas(240, 120);
    canvas.position(200, 20);
    strokeWeight(12);
    // <p>要素を2つ作成して位置を設定する。
    p1 = createP();
    p1.position(10, 10);
    p2 = createP();
    p2.position(10, 30);
}

function draw() {
    background(204);
    // グレーの縦線
    stroke(102);
    line(mouseX, 0, mouseX, height);
    // mouseX値を表示
    p1.html('mouseX :' + mouseX);
    // 黒の縦線
    stroke(0);
    const mx = mouseX / 2 + 60;
    // mx値を表示
    p2.html('mx :' + mx);
    line(mx, 0, mx, height);
}

このコードからは次のような結果が得られます。グレーの縦線はマウスカーソルにシンクロして移動します。黒の縦線は、グレーの縦線が右端や左端にあるとき、センターから離れようとしません。

mouseXとmxの関係をグラフにすると、次のようになります。

map()関数を使ったマッピング

次のコードはmap()関数を使って範囲をマッピングする例です。前のサンプルとは違い、mouseXとmouseYを使用しています。

function setup() {
  const canvas = createCanvas(240, 120);
  canvas.position(200, 20);
  strokeWeight(12);
  p1 = createP();
  p1.position(10, 10);
  p2 = createP();
  p2.position(10, 30);
}

function draw() {
  background(204);

  // グレーの線
  stroke(102);
  line(120, 60, mouseX, mouseY);
  p1.html('mouseX :' + mouseX);
  // 黒の線
  stroke(0);
  const mx = map(mouseX, 0, width, 60, 180);
  p2.html('mx :' + mx);
  line(120, 60, mx, mouseY);
}

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