7_4:ランダム p5.js JavaScript

滑らかな線形モーションはどのコンピュータでも同じように描画されますが、現実世界の事物はそれぞれの動きをしています。たとえば地面にひらひらと落ちる葉っぱや荒れ地をはう蟻は、どれ1つとして同じ動きをしていないように見えます。この予測不可能な動きは、random()関数で乱数を生成することでシミュレートできます。

random()

説明

ランダムな浮動小数点数を返す。引数は0か1、または2個取る。

引数を与えない場合には、0から1未満までの乱数を返す。
数値の引数を1つ与えると、0からその数値未満の乱数を返す。
配列の引数を1つ与えると、その配列からランダムに選んだ要素を返す。
引数を2つ与えると、1つめの引数から2つめの引数未満までの乱数を返す。

シンタックス

random([min], [max])
random(choices)

線のランダムな描画

次の例では、random()関数から値を得、線の位置を変更しています。マウスがキャンバスの左端に近いと、線はあまり動きませんが、右方向に動かすにつれてrandom()関数が返す値が大きくなるので、激しく動くようになります。

let p;

function setup() {
    createCanvas(240, 120);
    p = createP();
}

function draw() {
    background(204);
    const step = 20;
    for (let i = 20; i < width; i += step) {
        const mx = mouseX / 10;
        // -mxからmx未満までのランダムな数値
        const offsetA = random(-mx, mx);
        // -mxからmx未満までのランダムな数値
        const offsetB = random(-mx, mx);
        // ランダムな始点からランダムな終点まで、縦線を描画する
        line(i + offsetA, 20, i - offsetB, 100);
        p.html('mx : ' + mx);
    }
}

シェイプのランダムな移動

ランダムな値を使用すると、自然な動きに見えるシェイプが作成できます。次の例では、draw()内で毎回、円の位置を変更しています。またconstrain()関数を使うと、円が外に出ないようにすることができます。

const speed = 10;
// 直径
const diameter = 20;
let x;
let y;
let p;

function setup() {
    createCanvas(240, 120);
    background(204);
    // センターから開始
    x = width / 2;
    y = height / 2;
    p = createP();
}

function draw() {
    // -speedからspeed未満までの値を生成し、足していく
    x += random(-speed, speed);
    y += random(-speed, speed);
    // キャンバス内に制限する
    x = constrain(x, 0, width);
    y = constrain(y, 0, height);
    // 円を描画する
    ellipse(x, y, diameter, diameter);
    p.html('(x, y) : (' + x + ', ' + y + ' )');
}

constrain()

説明

値を、最小値と最大値の間に制限する。

シンタックス

constrain(n, low, high)

ランダムなカラー

random()関数はランダムなカラーの生成にも利用できます。


// 行数
const rows = 5;
// 列数 => 5 x 10のグリッドにする
const columns = 10;

let cellW;
let cellH;

function setup() {    createCanvas(240, 120);
    background(255);
    // 矩形を角から描く
    rectMode(CORNER);
    noStroke();

    // グリッドの1枠(セル)の幅と高さを算出
    cellW = width / columns; // => 240/10 = 24
    cellH = height / rows; // => 120/5 = 24

    // ランダムなカラーの作成テスト
    const randomColor = color(random(255), random(255), random(255));
    print(randomColor);
}

function draw() {
    // 列数分だけ繰り返す
    for (let i = 0; i < columns; i++) {
        // 行数分だけ繰り返す
        for (let j = 0; j < rows; j++) {

            // ランダムなカラー 毎フレーム繰り返すので、グリッド全体がチカチカする
            const randomColor = color(random(255), random(255), random(255));
            fill(randomColor);
            noStroke();
            // 矩形をグリッド状に描画
            rect(i * cellW, j * cellH, cellW, cellH);
        }
    }
}

setup()関数内でコンソールに出力しているrandomColorは次のオブジェクトで、この時生成されたカラー値はlevels配列に入っています。

color()

説明

colorデータ型の変数に保持するためのカラーを作成する。パラメータは、現在のcolorMode()に準じてRGBかHSB値として解釈される。デフォルトのモードは0から255までのRGBなので、関数呼び出しcolor(255, 204, 0)は明るい黄色を返す。

値を1つだけ与えた場合には、グレースケール値として解釈されることに注意。2つめの値を追加すると、アルファ透明度として使用される。値を3つ指定した場合には、RGBかHSB値として解釈される。4つめの値はアルファ透明度となる。

シンタックス

color(gray, [alpha])
color(v1, v2, v3, [alpha])
color(value)
color(values)
color(color)

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